

半世紀にわたってフリー・ジャズをリードしてきたセシル・テイラーは、アメリカでは人気が低く、レコードやCDも決して多くありません。
とりわけ、ピアニストであることから、私は彼の真価はコンボ(少人数編成バンド)でこそ発揮されると考えます。ソロ演奏も素晴らしい。
しかし、過去には「ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ」をはじめ、いくつかのジャズ・オーケストラとの共演を果たし、鬼気迫る演奏を残してきました。
セシルはヨーロッパでは高く評価され、80年代以降はエンヤ やFMP などヨーロッパのレーベルにたくさんのレコーディングを行っています。
この作品は、イタリアの意欲的なミュージシャンの集合体であるインスタビレ・オーケストラと、2000年9月に南イタリアのルヴォという街で開かれたジャズ・フェスに出演した時のライブ録音です。
この時、セシルは自筆のグラフィック・スコア(A3大の紙片)を持参し、リハーサルを重ねて60分以上の大曲に仕上げました。
ブラスの音のクラスターに対し、セシルのピアノはエッジのきいた音が際立ち、さまざまな楽器のコレクティブ・インプロビゼーションは押しては返す音の波のように腹に響いてきます。
私はセシル・テイラーの大ファンで、彼のレコードとCDは15枚程度持っています。
セシルはすでに70代半ばですが、いつまでもクリエイティブな活動を続けてほしいものです。
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