2009年10月15日木曜日

「マーラー/交響曲第1番:巨人、他」


 今夜、愛知芸術文化センターのコンサートホールで、名古屋芸術大学オーケストラの定期公演がありました。
 演奏曲目は、「ベートーベン/ピアノ協奏曲第5番:皇帝」と、「マーラー/交響曲第1番:巨人」でした。

 クラシックは、やはりコンサートホールでじっくり聞くべき音楽だなと、改めて実感しています。

2009年9月30日水曜日

「ロメオとジュリエット/プロコフィエフ」


 昨夜、愛知県芸術劇場で名古屋芸大ウィンドオーケストラの定期演奏会が行われました。演奏曲目の中でも心にとまったのが表題の「ロメオとジュリエット」です。
 作曲者のセルゲイ・プロコフィエフにとっては、20年近い海外生活からソビエト連邦に帰国して最初に作曲した大規模な作品であり、また初めての長編バレエであったとか。

 実は、このバレエ音楽の主題曲は、テレビドラマ「のだめカンタービレ」の冒頭に使われていて、それをふと思い出したのです。ちなみに「のだめカンタービレ」は映画にもなるそうで、今から楽しみです。

 このコンサートでは、ほかにレスピーギの「シバの女王」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」などが演奏され、学生を中心としたオーケストラに熱い拍手が送られていました。

2009年9月10日木曜日

「エリック・クラプトン & スティーヴ・ウィンウッド」



 今年6月に発売された2枚組のDVD「エリック・クラプトン & スティーヴ・ウィンウッド/ライブ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン」
 昨年2月にニューヨークで行われたライブ・セッション。2時間18分のステージがフルサイズで収録されています。

 エリック・クラプトンスティーヴ・ウィンウッドは、かつて「ブラインド・フェイス」というユニットを組み、たった1枚だけアルバムを残して解散してしまいました。1970年代初頭のことです。
 その後、クラプトンはデレク&ドミノスを結成し、ポップスの大御所となっていくのですが、ブラインド・フェイスに在籍していた頃のクラプトンはまさにロックのカリスマ的存在で、彼のアドリブには誰もがあこがれたものでした。

 このDVDでは、ブラインド・フェイスの曲が4曲再現されています。
 クラプトンのギターは、当時と違って円熟味を帯びており、スリリングさには欠けています。しかし、演奏された20曲ほとんどでアドリブを聞かせてくれていて、それはもう感激モノ。とりわけ、アンプラグドのブルースは最高です。

 2枚目のDVDを見ると、彼とスティーブ・ウィンウッドの深い関係が語られており、クリームを結成する時にはスティーヴを招こうとしていたこともわかります。

 私はコマーシャルに迎合せず、寡黙に自分の音楽を追及していたブラインド・フェイス時代のクラプトンが大好きです。当時のアルバムは今もときどき聞いています。

 このライブは映画にもなり、今月下旬から全国のTOHOシネマズで公開されます。

2009年8月14日金曜日

「君をのせて」ほか



 今週中、愛知県三好町の「アイ・モール」1Fフロアで、アルパ奏者“かとうともこ”のミニコンサートが開かれています。毎日共演ゲストが交替し、フルート、ギター、キーボードなどとのセッションを聞かせてくれています。

 盆の期間ということから子供連れの来店客が多く、宮崎アニメの主題曲がよく取り上げられているようす。今日はフルートとの共演で「天空の城ラピュタ」の主題曲「君をのせて」や、「もののけ姫」のテーマ曲などが演奏されました。聞いているうちに、改めて宮崎アニメには名曲が多いことを知りました。

 とりわけクラシック系の作曲家に依頼された曲が多く、その多くが深いテーマ性と美しいメロディラインに加えて、聞く者に癒しを与えてくれるようにも感じています。

2009年4月19日日曜日

「カントリー・ドリーム/杉本喜代志」



 このアルバムは、たぶん杉本喜代志の初リーダーアルバムではないかと思います。レコーディングは1969年11月。杉本喜代志(g)のほか、鈴木宏昌(p)、池田芳夫(b)、日野元彦(ds)のギター・カルテット。でも、すでにこのうちの2名は故人となってしまいました。

 杉本喜代志はこの時代に頭角を現したジャズ・ギタリストで、本作を聞くとケニー・バレルウェス・モンゴメリーの影響を受けていることがよくわかります。
本作は2007年にCD化されました。
 マイルス・デイビスが「スケッチ・オブ・スペイン」を発表して以来、渡辺貞夫が「パストラル」を発表し、牧歌的で脱都会的なサウンドがジャズに深く浸透していきました。1970年にはその頂点となるチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエバー」が発表されます。

 ここには、当時、新進気鋭だったジャズマンたちのアグレッシブな演奏が詰まっています。鈴木宏昌もスタイリッシュな曲を提供しており、熱くエネルギッシュなサウンドを堪能できます。フュージョンのさきがけ的作品ともいえるでしょう。

2009年3月19日木曜日

「カヴァレリア・ルスティカーナ」












 昨夜、名古屋市・金山のプルニエホールで、名古屋芸大のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の公演が行われました。
 このオペラ公演は、毎年3月に行われている名古屋芸大恒例の催し物。地元で活躍する声楽家やオペラ歌手などを招き、良質のオペラを格安で見せてくれる絶好の機会となっています。

 「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、イタリアのジョヴァンニ・ヴェルガの小説を、作曲家ピエトロ・マスカーニがオペラ化した作品で、題名は「田舎の騎士道」という意味です。
 内容は、主人公・トゥリッドゥが兵役から帰ると許嫁のローラが他の男と結婚していてショックを受けるものの、主人公と許嫁は今も惹かれあっていて、男女関係のもつれから最後には主人公が殺されてしまう、という生々しい物語。

 日本なら「心中もの」になる題材が、ヨーロッパでは「殺し合い」になるわけで、米食か肉食かの違いが文化や考え方に表れていると感じます。
 いずれにしても、男は初恋の女性に対しては死ぬまで未練があるもので、何度恋を重ねてもいつも相手に初恋の女性の面影を探しているものです。
 このオペラを見ながら、男の性(さが)を改めて感じました。

2009年3月5日木曜日

「アンドレ・ジョリヴェ/打楽器協奏曲」












 名古屋芸術大学・大学院の修了演奏会が、名古屋・伏見のしらかわホールで行われました。この日、演奏されたのは、「ジョリヴェ/打楽器協奏曲」「ベートーベン/ピアノ協奏曲第4番」など。
 とりわけ、「ジョリヴェ/打楽器協奏曲」は、第一楽章・ティンパニ、第二楽章・ビブラホーン、第三楽章・ザイロホーン(木琴)、第四楽章・ドラムセットがそれぞれメインとなる打楽器の協奏曲で、緊張感に満ちた演奏を聞かせてくれました。
 こうした現代音楽を聞く機会がもっと増えるといいと思います。
 とはいっても、ベートーベンのピアノ協奏曲も捨てがたく、4番・5番はポピュラー曲ですから、こうした曲も時々聞きたいものです。
 不況下の厳しい経済社会にもまれる中で、このようなコンサートに足を運ぶと癒される思いです。

2009年1月23日金曜日

「TAL/TAL FARLOW TRIO」


 タル・ファーロウは、1950年代を代表する白人ジャズ・ギタリスト。

 ウェス・モンゴメリーのように広く知られてはいませんが、ハード・バップへの掛け橋となった重要人物で、玄人(くろうと)受けする渋く、スイング感のある演奏が特色。

 低音弦を巧みに操る野太いサウンドにはアンプラグドの味わいも。大きな手を使いこなしたフィンガリングと、超速弾きのピッキングは、ジム・ホールをはじめとする後進のギタリストに大きな影響を与えました。

 紹介したアルバムは、1956年の録音。彼の絶頂期の演奏です。
 共演は、エディ・コスタ(p)とヴィニー・バーク(b)。ドラムレス・トリオで、タルの神業のようなギターを堪能することができます。