
フランク・シナトラは生まれながらのスーパー・スターでありながら、何度も挫折を繰り返しました。スランプ、喉の疾患、気力の減少…。しかし、そのたびに新しい表現力を備えてよみがえり、アメリカのジャズ、ポップス界の歴史的存在であり続けました。
1971年、彼は55歳で突然リタイアします。しかし、その2年後にこのアルバムを録音して復帰を果たしました。
中でもよく知られている曲が「愛をもう一度」(Let Me Try Again)です。
かつて、僕は去っていくといったね。
でも、さようならは言わなかった。…
君との生活から抜け出すなんて、大変な
思い違いをしていたんだ。…
僕は学んだよ、そして戻ってきたよ。
もう一度、僕にやり直させてほしいんだ。…
自分の復帰を、恋人との関係の修復にたとえて力強く歌い上げるさまは、さすがシナトラと感動せずにいられません。
結局、シナトラは1998年に亡くなるまで、生涯現役を貫きとおしました。その背景には4人目の妻であったバーバラ・マルクスの献身的な支えがあったのかもしれません。
フランク・シナトラの傑作アルバムは、ジャズ歌手だった40~50年代のものに多いのですが、このアルバムにもシナトラ節といわれる彼独特の節回しも生きていて、マイ・フェイバリットの一枚です。
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