2007年12月31日月曜日

「リターン・トゥ・フォーエバー/ライト・アズ・ア・フェザー」


 リターン・トゥ・フォーエバー(以下RTF)とは、ジャズ・ピアニストのチック・コリアが1970年代に結成したユニット名。「ライト・アズ・ア・フェザー」はそのセカンド・アルバムで、第一作目の陰に隠れてしまったような作品ですが、私は大好きな作品です。
 特に、この中の「スペイン」という曲は、その後多くのミュージシャンに演奏され、今ではスタンダード・ナンバーのようになりました。

 チック・コリアは、マイルス・デイビスのコンボに参加してメジャーになりましたが、その後は「サークル」というグループを結成してフリージャズ の領域に踏み込みました。
 この時期の演奏は、CBSからLPレコードで発売されていたのですが、残念ながら今は廃盤となり、日本ではCD化もされていません。
 聞きたいんだけどなあ。

 RTFは、ルソーの自然回帰論を音楽で実践するごとく、それまでの観念的な演奏から抜け出し、ある意味で大衆迎合的な心地よいサウンドを創造しました。

 だから聞きやすいんです。癒されるのですよ。ほんとに。
 純粋なジャズファンからは敬遠されがちなんだけどね。

2007年12月30日日曜日

「ウェス・モンゴメリー/ア・デイ・イン・ザ・ライフ」


 ウェス・モンゴメリーは、CTIレーベルに3枚の〝ウィズ・ストリングス〟アルバムを残していますが、これはその中でも一番人気のアルバム。ジャズ・ギターの泥臭さが、ストリングスとの共演によっておしゃれな味付けになり、ジャズを聴かない人にも耳触りのいいサウンドに仕立てられています。

 ウェス・モンゴメリーが得意としたオクターブ奏法(オクターブの違う2音を同時にかき鳴らす)も随所に登場し、ソフトな音色がストリングスと実によくなじんでいます。とっても上品なサウンドなんです。

 アルバムタイトルのア・デイ・イン・ザ・ライフは、ビートルズの“サージェント・ペパーズ”に収録されている難解な名曲で、これが一体どのようにジャズ化されているのか、最初に耳にするまでは興味津々でした。

 いわゆるイージーリスニング・ジャズで、心の癒しには最高のアルバム。真剣に聞き入るタイプのものではありません。ウェスのギターを存分に楽しみたいのなら、リバーサイドやヴァーヴに吹き込まれたコンボ演奏がお勧めです。

 しかし、まあそんなことはどうでもいい。聞いていると本当に心がほぐれます。

2007年12月27日木曜日

「ていとうわ/Last Century Modern」


 ていとうわは、いつも良質な、というかクォリティの高いテクノ・ミュージックを聞かせてくれます。彼のアルバムはそんなに持ってはいませんが、これは私のお気に入り。1999年に発表されたものです。

 これよりもっと前、YMOが解散してしばらく後に「ゲルニカ/改造への躍動」というアルバムがリリースされました。最初はLPレコードで発売され、後にCD化されました(イメージDVDも発売)。細野晴臣 が中心となったプロジェクトで、大正ロマンの世界を電子化したようなサウンドは今聞いても大変興味深く、面白い。

 この「Last Century Modern」には、その匂いが漂っています。実際、細野晴臣 がベーシストとして参加していますからね。
 ドライブのBGMにしても最高の一枚です。

「ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジバンガード」


 ザイラスです。
 ジョン・コルトレーンは私のお気に入りのミュージシャンの一人。このアルバムで、彼の絶頂期の演奏に触れることができます。
 共演のエリック・ドルフィーはバスクラリネットと、アルトサックスも演奏しているようです。

 ジャズのソロ楽器にバスクラリネット(ベースクラリネットともいいます)を持ち込んだのは、たぶんこのエリック・ドルフィーだと思います。
 コルトレーンの火の出るようなアドリブに身を沈めていると、魂が体から抜け出していくような気持ちになります。これが、コルトレーンを聞く時の至福感。

 後にコルトレーンはフリージャズの洗礼を受け、「ビレッジバンガード・アゲイン」というアルバムを作ります。その頃からコルトレーンのソロは鬼気迫るものとなっていきますが、今日のアルバムはまだそこまでいっていない感じで、比較的安心して聞いていられます。

 コルトレーンもドルフィーも1960年代に亡くなりました。これらが40年以上も前の演奏だとは実に信じがたい。
 こういうジャズが最近あまり聞けないんだなあ。

2007年12月21日金曜日

「誰がアート・オブ・ノイズを…」


 「アート・オブ・ノイズ」のデビュー・アルバムで、録音は1984年。私は90年代半ばに知ったグループで、その時点ではすでに解散していました。


 仕事中にも、車の中でも、今も時々かけています。
このほかに彼らのアルバムは3~4枚持っていますが、中でもこのデビューアルバムが一番いい。

 調べてみたところ「アート・オブ・ノイズ」は、1983年プロデューサーのトレヴァー・ホーンのスタジオのセッション・ミュージシャンだったアン・ダドリーを中心に結成されたユニット。現代音楽の手法をポップ感覚で展開し、斬新なビートのサウンドで時代の先端をいくサウンド・メイカーとなりました。「ピーター・ガン」「キス」などをヒットさせて90年に解散。
その後、99年に再結成しているようです。

 Mr.マリックのテーマ曲 は彼らの曲なんです。

 BGMに使うと実に心地いい。知人の結婚式の披露宴のBGMに「アート・オブ・ノイズ」を流したんですが、誰も知らなかったようでした。クーッ。

2007年12月5日水曜日

「ラプソディ・イン・ブルー」


 いわずと知れたジョージ・ガーシュウィンの名曲。彼の名を聞けば、まず最初に浮かぶのがこの曲ではないでしょうか。
私は中学生の頃に叔父からレコードを借りて以来、お気に入りの曲になりました。

 TVドラマ「のだめカンタービレ」で、マングースの着ぐるみを着た主人公〝のだめ〟が、ピアニカで弾いたのが印象的でした。

 今日聞いたのは、レナード・バーンスタインが1976年に英国のロイヤル・アルバート・ホールでニューヨーク・フィルを率いて演奏(指揮とピアノ)した時の録音。若干のアドリブも入ったアメリカ人ならではの演奏となっているのが特色です。

 クラシックにジャズのテイストを持ち込んだ曲だけに、この後、多くのジャズピアニストも取り上げるようになりました。
わが国では、山下洋輔が好んで演奏しています。

2007年12月1日土曜日

「ヴェルディのレクイエム」


 フル・オーケストラ、4人の歌のソリスト、120名を超える混声合唱による90分にも及ぶ大作。ヴェルディが尊敬していた詩人のA・マンゾーニへの追悼として1874年に初演された曲です。

 とりわけ、第2楽章の冒頭の「怒りの日」の迫力はすさまじく、オーケストラと合唱が音の津波 となって聴衆の全身を包み込みます。

 この日、名古屋芸術大学音楽部の定期演奏会で、愛知県芸術文化センター内のコンサートホールでこの大曲が演奏されました。
 激しい音圧に身をゆだねる快感と疲労を十二分に堪能しました。本場のオケと指揮者の演奏を改めて聞きいてみたいと思っています。